[ 下克上受験] 最終話 金曜22:00~23:00 TBS系列
「勉強は楽しい。勉強は世界が変わる。」
桜葉学園に落ちてしまった香織(山田美紅羽)。 父・慎一(阿部サダヲ)も、もう呆然としてしまう。
どこかで 「ここまで頑張ってるんだから、神様も見ててくれるだろう。その頑張りを認めて、合格させてくれるだろう」 という思いがあった。
でも、それは粉々に打ち砕かれた。
ライバルの徳川麻里亜(篠川桃音)は順当に合格したけれど、香織は落ちてしまった。
妻・香夏子(深田恭子)も、慎一の中卒仲間達も、祖父の一夫(小林薫)も、なにかと応援してくれた楢崎(風間俊介)も、全員激しく落胆する。
そしてここで、香夏子の大どんでん返しが起こる。
なんと、こっそりと他の女子校に受験の申し込みをしていたのだ。
「桜葉一本で行く」と言い張る慎一にしつこく口出しをするのではなく、 「もし香織がどこにも行けなかったらかわいそうだと思って」
と勝手に申し込んでいた香夏子は、やはり母親だし、それでこそ慎一の妻だ。
3日後に控えた受験に向けて猛勉強を始め、 見事、合格することができる。
香織は女子校に入学し、香夏子は相変わらず仕事を続け、慎一は中学受験のブログが人気になったことから本も出版された。
怒濤の受験を経て、桜井家の様子は受験前に描かれた未来とはまったく様変わりした。
今回の中学受験によって、一番成長したのはまぎもれなく香織本人。
桜葉に落ちて一番落ち込んでいるはずの香織は、発表後に試験問題をもう一度やりなおした上で、こう言う。
「わからなかったところがわかった」 「あいつら(エリート達)との差がわかったから、大丈夫。公立に行っても勉強し続けよう!」
自分のレベルを知るところから始まり、父を信じ勉強し続け、時にはめげそうになりながら、心が折れそうになりながらも、中学受験という1つの大きな壁に挑戦し続けた。
桜葉には受からなかったけれど、「頑張った」とそこで終わらせるのではなくて、 次へ進むために自分のできなかったことにきちんと向き合っている。
受験勉強をする中で、知識だけではなくて、振り返って次に生かす、という姿勢がきちんと身についた。
慎一の出版イベントで、さらにこう話す。
「勉強は楽しいです!勉強は世界が変わります!だから頑張るだけじゃなくて、辿り着いてください!」
私自身、つい最近自動車免許を取得した。
そうしたら、今まで単なる記号や絵くらいにしか見えていなかったものたちが、いきなり意味を持った。見える世界が変わった、と思った。
勉強は楽しい。
大人になってからは特にそう思う。
中学受験がどうこうではなく、必死に勉強することで、見える世界がある。
その世界を知るために受験をするのもいいかもしれない。
そう思えたドラマだった。
たがみゆうこ
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