世にも奇妙な物語「貼られる!」のネタバレや意味!原作のオチは?
“世にも奇妙な物語・2016秋の特別編”で成宮寛貴さん主演の作品「貼られる!」のネタバレや意味について紹介していきます。
またこちらの作品は原作もあるので、原作のネタバレやオチについても触れていきたいと思います。
最終更新日:10月9日
世にも奇妙な物語「貼られる!」のネタバレと意味
原作のネタバレが気になる方は“『貼られる!』の原作のオチ”の項にお進み下さい。
一流バンカーの椎名は、仕事も順調で部下の信頼も厚く、充実した日々を送っていた。
そんなある日のこと、いつも通り仕事からタクシーで帰宅した時にいつもより金額が高いことに気づき、そのことをドライバーに主張する椎名。
結局はお金を払い、”小遣い稼ぎドライバー”というレッテルを運転手に貼りながら、渋々降りることおに。
すると、自分の胸に”難癖つけるクレーマー”と書かれたシールがタクシーのドライバー名義で貼られていることに気づく。
無理に剥がそうとするが、強力なシールで接着されていて剥がれない。
タクシー会社に問い合わせるが、そんなものは貼っていないとの一点張り。
どうやら自分以外には見えていないようで、服を脱いでも自分の肌にくっついてきて剥がせない。
この日を境に、椎名は周囲から貼られたレッテルが目視できるようになる。
貼られたレッテルは、周囲から評価されていたとの椎名にとっては予想外の散々たる評価であった。
何とか評価を変えようと、会社の飲み会で全員分の食事代を奢ろうとする椎名。
すると一部のレッテルの評価が良いものに変わった。
どうやら行動によって貼られるレッテルの評価も変わるようであった。
良いレッテルを貼られることに味を占めた椎名は、周囲の顔色を伺いながら行動をするようになる。
どんどん悪いレッテルを良いレッテル変えていくことに成功し、順調であった。
しかしある日、融資を断ったはずの半田運送の社長が直接会社に押しかけてくる。
無理なものは無理だと断る椎名出会ったが、その一部始終を目撃した周囲から再び悪いレッテルを貼られてしまう。
結局それが気になり、渋々融資の件を受けることに。
そんな中、部下の日下部が担当している会社の粉飾決算が判明し、不渡りを出したという報告を受ける。
監督不行き届きと部下の責任を取らされる椎名。
「君を助けたいんだ」という言葉とは裏腹に上司や同僚・部下から”銀行マンとして終わった男”と”左遷決定”といったレッテルを貼られてしまう。
落ち込む椎名の前に現れる日下部。
「椎名さんのおかげでやっと仕事が楽しくなってきたのに辞めたくない」と話す。
これに同情した椎名は、自分が責任を取るから安心しろと言う。
しかし次の瞬間「だまされやすい単細胞」レッテルを日下部に貼られてしまう。
これにより完全に人間不信に陥ってしまう。
そのまま会社を辞めた椎名は、レッテルや人間不信等の影響もあってか転職活動も上手くいかず、最終的にはアルバイト先でも悪いレッテルを貼られ、完全に落ちぶれてしまう。
「何で剥がれないんだ」と自暴自棄になる椎名。
気付いたら、かつて融資した半田運送会社へ足を運んでいた。
引き返そうとしたところを半田の娘・愛菜に引き止められ、家に上げてもらうことに。
愛菜から既に半田は亡くなっていること、生前父は大変感謝していたことを聞かされる。
しかし自分はそんな奴ではないと話す椎名。
周囲のレッテルを気にして、融資を引き受けただけだと。
だが愛菜は「そんなことは無い」と言う。
椎名さんがいたから助かった、椎名さんは恩人だと父は言っていたと。
この言葉に涙する椎名。
すると今まで貼られていたレッテルが全て剥がれ飛んでいき、”あなたがいてくれてよかった”という半田のレッテルが大きく目に映る。
レッテルによって色んなモノを失ったが、代わりに得たものもあるとレッテルの無い新たな人生を再スタートさせる椎名。
愛菜と結婚し、子供も生まれ、幸せな生活を送り始めていた。
ある日、子供が欲しいものをおねだりをするが我慢しなさいと諭していた。
するとその瞬間、背中にアノ嫌な感触が。
すぐに「何でも買って上がるよ」と態度を変える椎名。
背中に貼られた”ケチ”というレッテルが”パパ大好き”に変わっていく。(終)
原作漫画と大きく違うのは設定面では貼られたレッテルが剥がせないということ。
またレッテルが一度、見えなくなるという展開。
最後はハッピーエンドだったものの、ちょっと引っかかる終わり方は世にも奇妙な物語らしいオチでしたね。
融資を断られた時に、”心無い若者”とレッテルを貼る半田運送の社長と、部下の日下部は何となく許しがたかったですが。
「貼られる!」の原作のネタバレとオチ
「貼られる!」の原作は「レッテルのある教室」という短編マンガで、”ガンガンONLINE”というSQUARE ENIXが出版しているWeb雑誌の作品『HERO個人作品集』に収録されています。
実際に「レッテルのある教室」を読んだ上で、作品の簡単なネタバレ、また感想等をお送りしていきますね~。
◆原作「レッテルのある教室」はどんなお話かネタバレ
主人公は柏木という高校2年生の女の子で、舞台は学校の文化祭。
柏木は所謂優等生タイプの女の子で、クラスの皆に信頼される・頼られる存在であり、彼女自身もそれをステータスと自負していた。
ただ柏木には他の人には無い、ある特殊な能力が備わっていた。
それは他人が自分、もしくは他人に対しての評価が紙に実体化して見れるという能力。
つまり貼られたレッテルを目視できるというもの。
人によっては意外な事実も目に見えてしまうことで(おとなしそうに見えて、ビッチというレッテルを貼られていたり)戸惑うこともあったけど、自分に貼られたレッテルに対しては満足していたこともあり、順風満帆な学校生活を送っていた柏木。
そんな中、柏木は若月という男のクラスメイトに出会う。
若月に貼られたレッテルは、 「暗い」「近寄らないで」といったとても悲しい内容で、若月は所謂いじめの対象者であった。
そんなレッテルを大量に貼られた若月の背中がとても重々しいものにうつって見えた柏木は、何とか力になりたいと彼に近づく。
とは言っても、貼られたレッテルを剥がすことは出来るが、それが何か影響することは無いことは分かっていた。
それでも、若月を観察していた気づいた彼の良さをレッテルとして自分の書いたものを力強く彼の背中に貼り付ける。
「もっと自信を持って良いと思う。」というレッテルを。
これ以上、その上に悲しいレッテルを貼らないでという願いを込めて。
ある日、 柏木は文化祭の準備を頑張りすぎた反動で熱を出して、1日学校を休んでしまう。
彼女にとってはたった1日休んだ些細なことと思っていたが、 教室に行くと、柏木が休んだことで回らなくなって仕事のことで、クラスメイトから物凄い批判を受ける。
普段頑張っていたことや自分への評価の良さもあり、自分が居ない間に、皆が自分の仕事をフォローしてくれたり、心配してくれると思っていた柏木は、想定外の皆の態度にショックを受ける。
そして自分へ新たに大量に貼られた批判的なレッテルを見てふさぎ込んでしまう。
廊下で一人泣いている柏木。
その前に現れる若月。
そして驚きの一言を柏木い言い渡す。
「背中スゴイことになってるけど大丈夫?」
そう、実は若月もレッテルが見えていたのである。
「でも若月はどうして平気なのか?」と問う柏木。
「あくまでこれは他人が勝手に貼ったレッテルであり、本人が気にする必要はないと」と答える若月。
「レッテルはあくまで他人がつけた評価であって、それを何千枚集めたところで柏木さんにはならない、柏木さんは柏木さんである」と。
それを聞いて、号泣する柏木。
そこに「笑うとステキ」という似顔絵付きのレッテルを渡す若月。
それから、柏木は今までの貼られたレッテル通りの理想の人間になることを止め、 自分らしく振る舞うように行動するにように成る。
レッテルを気にしないということは性格上無理であっても、貼られたレッテルのみが全てでないことを信じて…
※細かい描写などは端折っています。また少し自分の解釈が入っています。
すべての内容が気になる方は、現在”ガンガンONLINE”で「レッテルのある教室」が無料で公開されていますので、よろしければご参照下さい。
◆「レッテルのある教室」を読んだ感想
最初読んでいる時は、これは他人の貼ったレッテルを剥がしたり、自分で加えたりして思いのまま他人の意識を操れる系の話かなと思ったのですが、そうではなく「自分や他人への評価が目に見えるカタチとなって現れたら」というテーマ性の強いものとなっていました。
人間である以上、誰もが自分の評価は気になるものなので、誰が見ても結構考えさせられものがあったんじゃないかと思います。
また人は誰かがそう言った訳でもないのに、勝手に自分への評価を作り出し、それを気にしすぎているうちに心が疲れてしまうとことに関してへのメッセージ作品のようにも感じました。
そういうこともあって、最後に「罪悪感」というレッテルを剥がすシーンがあるのですが、他人に罪悪感とかいうレッテルを貼ることに違和感を感じ、最初見えているレッテルは他人が貼ったレッテルでは無く、主人公の思い込みなんじゃないかとちょっと思ってました。
でも自分の知らない事実が貼られてたというシーンもあったのでコレは違いますね。
多分、柏木自身が貼ったレッテルだから、自分で剥がしたのかな?
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