世にも奇妙な物語・黒木メイサ主演作品のネタバレやあらすじ、感想!
世にも奇妙な物語2016・秋の特別編の4つの作品のうちの一つ、黒木メイサさん主演の作品。
あらすじやネタバレ、観た感想等を、実際にあった「シンクロニシティ」の例も交えながら紹介していきたいと思います。
最終更新日:10月9日
世にも奇妙な物語・黒木メイサ主演作品のネタバレと感想
黒木メイサさん主演の作品「シンクロニシティ」は、そのタイトルが持つ意味の通り、度重なる偶然の一致によりとんでもない出来事が起きてしまうという内容のものとなっています。
「シンクロニシティ」はちょっぴりオカルトっぽさはあるものの、現実でも意外と身近なところで感じられる現象であり、まさに奇妙な物語にうってつけ題材となっています。
「シンクロニシティ」のあらすじ
ある日、栄子は恋人からプレゼントされた時計のサイズを直すため時計店を訪れると偶然高校時代の友人、朱美に出会う。
成人式以来の再会に喜ぶ二人。
しかも時計を直しにきた理由に始まり、恋人の名前、彼氏とつきあい始めた日まで同じであることが判明する。
そんな二人の会話をバーで聞いていたマスターがそれはシンクロニシティという現象であると伝える。
偶然の一致が重なり興奮する二人だった。
がある事に気付いた瞬間二人の顔から笑顔が消える。
今日、8月7日は12年前の高校時代、二人も加担したいじめが原因で友人が自殺した日だった。
さらに栄子たちに思いもかけない恐ろしい”偶然の一致”が襲いかかる・・・!
引用元:世にも奇妙な物語オフィシャルサイトより
本編のネタバレ
最初の方は、あらすじの内容とほぼ同じなので続きから。
場面は回想シーン。
12年前の8月7日、栄子と朱美はテニス部の合宿に参加しており、那須高原の合宿所にいた。
そこで友人の江里奈は先輩からヒドいイジメを受けていた。
先輩から「アンタ達も何かやりなよ」と言われ、イジメに加担したくはないものの、逆らうと次は自分たちが対象になることの恐怖から栄子と朱美は、林の中に落とし穴を掘り、江里奈を散歩に誘っておびき出そうとする。
江里奈を呼びに部屋のドアにノックをする。
しかし返事が無い。
恐る恐るドアを開けてみると、そこにはいじめが原因で自殺した江里奈が横たわっていた。
そして何故か”英雄ボロネーゼ”がラジカセで流されていた。
場面は現在に。
ただの偶然の一致にしては重なりすぎている、江里奈の呪いではないかと怯える栄子。
突然周囲が真っ暗になり、”英雄ボロネーゼ”が急に流れ出す。
怯える2人であったが、それはバーの別の客達のサプライズ企画により店から流れたBGMであった。
ホッとし店を出る2人。
酔った2人はタクシーで帰ろうするが、1人の男に割り込みされる。
その男は、偶然にも当時の担任・荻原であった。
偶然居合わしたこともあり、2人をタクシーで送ってくれるという。
酔った朱美は、教師との再会と更なる偶然に気分が高揚し、ドライバーそして教師に「こういうのなんて言うのか知ってます?」と尋ねる。
知らないと答える2人。
「シンクロニシティって言うんですよ。」
これを聞いた、教師の様子が急変する。
「シンクロニシティか…オレにとっては今日の再会がまさにそうかもな。」
教師はずっと栄子達のこと探していたことを打ち明ける。
江里奈を裏切ったお前たちをなと。
教師は当時、江里奈と付き合っており、卒業したら結婚することも両親に認めてもらっていた。
突如ナイフを持って暴れだす教師。
タクシーを止めて逃げ出す2人。
だがここで教師は言う。
「誤解だ、お前たちを殺すつもりはない」
そして教師は真相を打ち明ける。
本当の自殺の理由は教師の子を身ごもっていたことへの苦悩からだと。
悪いのは全て自分なんだと。
ずっと重い十字架を背負わせていてすまないと言ってその場を去る教師。
江里奈の自殺が自分たちのせいでは無かったことが分かり、胸を撫で下ろす2人。
やはり今日は運命的な偶然の日だったんだと。
再度タクシーに乗り直す2人。
ここで運転手が口を開く。
「シンクロニシティには幸運をもたらすこともあるんですね。」
運転手は続ける。
12年前、娘が一人今日みたいな土砂降りに日に林に入っていたこと。
そして足を骨折し動けなくなっていたところを救助されたが、長いこと雨に打たれていたせいで肺炎を患い亡くなってしまったこと。
運転手は更に続ける。
6年前妻が病気で他界し、その日も偶然にも娘の命日と同じだったこと。
そして今日、偶然にも娘の死因の真相が明らかになったこと。
「真相…?」と恐る恐る尋ねる栄子。
「ええ。これが不運な事故というか…
娘は落とし穴に落ちたんだ。
実は12年前に自殺騒ぎがあった那須高原の林にあった大きい落とし穴にハマって娘は動けなくなっていたんです。
なんでこんなところに大きな落とし穴があったんだと不思議に思っていたんですが、あなた達がほったんですねぇ…」
絶句する2人に対し、ちょうど妻と娘の命日に合わせて今日死ぬつもりだと呟く運転手。
最後にコトの真相を知れて、あなた達を乗せれて幸運だったと。
必死に謝罪をする2人。
だがタクシーはどんどんスピードを上げ、反対車線に乗り込み、目の前からは大型トラックが迫る。(終)
シンクロニシティの意味の解説や、原作の内容は、こちらで解説していますので、気になる方はご参照下さい。
関連記事『世にも奇妙な物語・シンクロニシティのネタバレと意味!原作のオチは?』
感想
結末は原作とほぼ同じですが、途中に教師のエピソードが噛んできたのが大きく違いました。
合宿所で先輩を罠に嵌めたというエピソードだけでは、少し臨場感に欠けると判断しての改変だったのかと思われます。
何よりも気になったのが黒木メイサさんの叫びの演技の不自然さだったが…
シンクロニシティの実例”エドガー・アラン・ポーの予知”
原作でも出てきた”エドガー・アラン・ポーのミニョネット号事件予知”のお話を紹介させて頂きます。
“ミニョネット号事件”とは実際に過去にイギリスで起きた事件で、船長のダトリー、船員のスティーブンとブルックス、そして給仕のリチャード・パーカーの4人で航海に出て遭難したお話です。
以下事件の大まかな内容▼
4人はミニュネット号という船に乗って、最初は順調な航海を続けていた。
しかし途中で嵐に遭遇し、船底に穴が空いてしまい、やむなく救命ボートで脱出することになる。
急な脱出だったこともあり、持ち出せた食料はカブの缶詰たったの2個。
当然、すぐに食い尽くしてしまう。
食糧難に陥った4人であったが、幸運にもウミガメの捕獲に成功する。
ウミガメは大きく、しばらく食い繋ぐことが出来たが、助けが来る前にウミガメも尽きてしまう。
そこで、何とか生き永らえるために4人でクジを引き、ハズレを引いた1人を捕食しようという相談をするが、話はまとまらない。
そんな中、遂に喉の乾きに耐えきれなくなったリチャードが、海水を飲んでしまう。
(※海水を飲むと、体の中の塩分濃度が高まり、それを排出するには水分が必要なので、悪循環に陥って強い脱水症状を引き起こす。)
遭難して海水を飲んではならないことは、船乗りの鉄則であり、もうリチャードが助からないことを悟った船長は、リチャードを犠牲にすることを決断する。
最初は反対していた船員も、ナイフで傷つけられたリチャードを見ると本能に逆らえず、リチャードを捕食し始める。
こうしてリチャードを犠牲に残りの3人は生き永らえ、偶然通り掛かった船に無事救出される。
というのが実際にイギリスで起きた”ミニョネット号事件”の大まかな内容です。
そしてここからが本題なのですが、何とこの事件とほぼ同じ内容のものが”エドガー・アラン・ポー”という小説家によって数十年前に書かれていたのです。
その小説の名前は「ナンタケット島出身のアーサー・ゴードン・ビムの物語」。
小説には、広大な海で遭難した4人の乗組員が、生き永らえる為にクジ引きで犠牲にする一人を決定し、残りの3人が生き残るという内容が描かれています。
そして驚くことに犠牲となった男の名はリチャード・パーカーという給仕の少年なのです。
「4人の乗組員」、「クジ引きで犠牲にする一人を決定する」、「犠牲になった男は給仕係で名前もリチャード・パーカーと同姓同名」という共通点。
クジ引きは事件では実際には行われてはいないものの、ここまで偶然が一致することなんて普通は在り得ないということで、「エドガー・アラン・ポーはこのことを予知していたのではないか?」と一時期話題になりました。
事件と同じ内容の小説を探したら、たまたま見つかったという可能性もありますが、名前まで一致したとなるとやはり偶然では片付けにくいですね…
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